まず31日の夕食からそのイベントは始まります。
観光客の皆さん、「気軽にどこか適当なところで食べればいいや」、なんて思っていては食べ損なってしまいますよ。31日の夕食はどこも「予約制」なのです。最低でもお昼ごろまでには予約しておかなくては大変なことになります。なぜなら31日の夕食は“チェノーネ(Cenone)”訳して=大きな夕食 といって、その名にふさわしいほどの大ご馳走を食べるのです。
普段は予約の必要のないレストランでもこの日ばかりは予約でいっぱい。完全にコースになっていて、お値段も高い! というのも時間は決まって21時から、そして24時のカウントダウンをイタリア風に楽しめる「年末パーティーキット付き!」。
「夜の服」に着替えて、おしゃれして、まずは、食前酒でカンパーイ! そして、前菜数種類。パスタ、リゾットなど第一の皿2種類。第二の皿もお肉、もしくは「金運アップ」縁起ものの年末のお料理ブタの足の詰め物「ザンポーネ」。そして23時半ごろにやっとデザートまでたどり着きます。完全に2食分くらいの量です。
そして24時のカウントダウンにそなえ、スプマンテ(spumante)(発泡酒)のボトルが各テーブルに! レストラン内でカウントダウンをして、新年に「ポン!」とボトルを開けて乾杯する人とスプマンテを持参して爆竹を鳴らしに外に出る人に分かれます。
町のメイン広場では23時ごろから、中世の街中でクラシックやバンドの生演奏が聞けてうっとりしますが、24時を過ぎたら逃げる準備をしたほうがいいでしょう。特にスプマンテを思いっきり振っている人が近くにいたら大変です。かけられること間違いなし。そして、15分後にはその空のボトルを床にたたきつけて割ったり、人ごみの中で爆竹を鳴らしたり、花火をつけたりとかなり「危険地帯」と化します。フィレンツェの場合は特にシニョリーア広場が危険ゾーン。
一方、30代のイタリア人カップルなどは、広場で騒ぐのはもう卒業して、スキー場の近くの山のホテルなどで数泊するパターンも多くどこも予約でいっぱい。私も今年は山のホテルで新年を迎えました。チェノーネは満席!
さて、イタリアの1月はまだ重要な祝日が残っています。6日の「エピファニア」(救世主の御公現の日)。マギ王がキリスト誕生を祝ってプレゼントしたというのにちなんだ伝統で、ほうきにまたがった老婆(ベファーナ)が子供達に「いい子にはお菓子」を、そして「悪い子には石炭」を靴下に入れてプレゼントする日。戦前、サンタクロースがまだイタリアには根付いていない時代にはべファーナがプレゼントを子供達に渡していたのです。だいたい「おばあちゃん」がその役を担当。昔は本当に石炭を入れたりもしていたそうです。
日本のように元旦から突然「門松」が飾られるのとは違って、イタリアではこの日まではクリスマスのイルミネーションが堂々と飾られているのです。