先生は、フィレンツェ郊外にあるレストランのシェフ。お昼にフルコース食べるとお一人の予算約40ユーロの場所。「トラットリア」と呼んではいるものの、内容もお値段も「リストランテ」に相当し、オリーブの木に囲まれた丘の上の素敵な場所にあります。
■「ソフリット」とは?
まずは、イタリア料理の基本の下ごしらえ。コックの仕事は毎朝これから始まります。
「赤玉葱、セロリ、人参」のみじん切りをエクストラ・バージン・オリーブ・オイルたっぷりでいためる。この行為を「ソフリット」といいます。
ちなみに、イタリア一般家庭では料理の素人でも細かく切れる優れものの月のような形のナイフ、「メッザ・ルーナ」を使いますが、さすがプロ、よく研がれた包丁を使ってザクザクと手際よくみじん切りしてました。
さて、このオリーブオイルのたっぷり加減ですが、オイルの中に野菜が浮ぶ程度です。
これをベースに、パスタのソースを作ったり、トスカーナの田舎料理「リボリータ(野菜パン煮込みスープ)」を作ったりします。
ソフリットには「白玉葱」ではなく「赤玉葱」を使用する理由は、炒めても白より甘くならない為。
そして、玉葱は「酸性」なため、「ソフリット」をベースにした料理は保存が利くという昔ながらの知恵でもあるのです。
■エクストラ・バージン・オリーブ・オイル
オイルをたっぷり使うことに慣れていない日本人なら少し抵抗があるかと思いますが、「地中海栄養学」によると一日の必要摂取食料区分のベースにオリーブオイルがあるようで、イタリア料理では、本当にたっぷり使います。(ちなみに、動物性脂肪は一番少なくていい)そして、当然その“質”にもこだわります。
オリーブオイルは毎年11月ごろに新調されますが、良いものは1リットル7ユーロ以上とわりと高価。一般家庭では、良いものは、パンにつけたり、サラダにかけたりとそのままの形で使い、炒めたり、揚げ物をしたりするのには、もっと安い物と使い分けています。こちらのレストランでは、さすが、すべてに高級オイルを使用していました。
レストランで使用していた、トスカーナ原産で最新のオイル100%は、やはり色も香りも味も全然違います。香りは特に火を通した時にその差が明らかになるそうです。
お料理のおいしさ、そしてお値段の差はこんなところからもきているのですね。
■パセリのような人とは?
そして、「イタリアンパセリのみじん切り」もたっぷり用意して、自然乾燥させます。
イタリアのことわざで「パセリのような人=いろんなところに顔を出している、どこにでもいるヤツ」というのがあるように、よく使うのです。
■「パスタ」の意味
さて、準備ができましたら、次は生パスタの用意です。
スパゲッティなどは市販されている「乾燥パスタ」を使用しますが、タリアテッレ(きし麺風)、ラビオリ(中にソースを詰める)、ニョッキ(じゃがいも使用)などは作ります。
ちなみに、この「パスタ」という単語は、パンやピザのもと、お菓子のパイ生地にも使われます。
■日本にはないイタリアの野菜
日本で目にすることのないイタリアの野菜の数々を紹介します。是非旅行で来たときには挑戦してみてくださいね。
・FINOCCHIO(フィノッキオ)
一見玉葱のようですが、全然辛くありません。生のままオリーブオイルと塩につけて食べます。
・アーティチョーク
外側の硬い部分は数枚剥き、また、花の先のほうを切り落として、中心のやわらかい部分を食べます。オリーブオイルと塩につけて生で食べたり、ゆでて、オイルとお酢に漬けて食べたりします。
・黒キャベツ
苦味が強くしっかり煮なくてはなりません。トスカーナの伝統田舎料理「リボリータ」には欠かせない野菜。
・プンタレッラ
イタリアでもスーパーなどでは一般的に見かけませんが、市場などに行くと春にかけて売っています。アンチョビソースなどにつけて、ぱりぱり食べるとおいしい!