さて、冬の準備ですが中心街の狭めなアパートは別として、郊外の一般的な家では、暖房器具として「普通」に暖炉を使います。暖炉といえば日本人にとっては「おしゃれ」なイメージですが、ガス代や電気代の高いイタリアにしてみれば「部屋を暖める必需品」でもあるのです。
さらに、台所にも暖炉風オーブンのようなものが置いてあることが多く、最初目にしたときは、「これは100年くらい前のアンティークなのだろう」と思っていたのですが、今でも現役でお店に売っていたりするのでびっくり!
蒔きを入れて燃やし、テーブルのようなところに鍋ややかんを置いて暖める。そして、扉の中はオーブンとなり、部屋もバッチリ温めるといったすぐれもの。
日本のように木造の家では火事が心配ですが、イタリアはコンクリート+土足ですので、火が移る心配もなければ、多少汚れてもほうきとモップで掃除をするから大丈夫。また、分厚いコンクリートの壁はいったん暖まったらかなり暖かさを維持します。
手間がかかりますがガスの暖房より経済的。そして何よりもイタリア人はこのような生活が好きなよう。忙しい都会生活の人もこんな生活にあこがれているようです。
この上で何を料理するのかといいますと、冬場に頻繁に登場するメニュー「パスタ&ブロード」。骨付き肉と野菜(セロリ、たまねぎ、にんじん、ポテト)、トマトペーストとコンソメの素、塩コショウをいれグツグツと1時間ほど煮詰めます。その後、具を取り出し、小さなパスタを入れ、10分ほどゆでる。パスタ入りスープの出来上がりです。これにたっぷりパルミジャンチーズをふりかけて食べるのです。
この小さなパスタですが、丸かったり、星の形をしていたり、お米のような形だったりとかなりの種類があります。すべて小麦粉と卵といった同じ材料でできているのですが、パスタの形にこだわるイタリア人、スーパーのパスタのコーナー、30種類は軽くあるのではないでしょうか。そして家には10種類(家庭によっては15種類くらい)、20袋(70袋くらいのところもあります)ぐらいは普通の家庭でも貯蔵されていると思われます。
日本人の家庭で、醤油と味噌とお米を切らすことがないように、イタリア人の家では、パスタ、オリーブオイル、トマトソース、ワインを切らすことは決してないのです。